「そう言って欲しい?」 肩をすくめた。 「それはわからないな」 けろっと答えてから、改めて考えるように顔を俯かせて呟いた。 「全く、わからない」 頭を切り替えたらしく、勢いよく顔を上げた。 「あいつ、仕事、どう?」 「ビジネスの才能もセンスもあると思いますよ。 ですが、やる気がまるっきりありませんね。 あの無自覚さというのか、無責任さというのか、後ろから殴りたくなる程です」 綺樹の話題の飛び方には大分慣れた。 成介は真面目に続ける。