「力関係で言えば、西園寺からは言い辛いだろうな。 やっぱり、こちらから離婚を切り出さなくてはいけないんだろうな」 「ちょっと待ってくださいよ」 成介は唖然とした。 何だって、これだけ頭のいい綺樹がわからないのだろうか。 「プロポーズした相手の女性を知っていますか?」 「知らない」 「プロポーズを断られた時、なんと説教されたか聞きました?」 「聞いていない」