”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


      *

涼がプロポーズした相手が愛人をよしとするとは思えなかった。

だけどせめて、だ。

そこは自由にしてあげないと。

どういう女性だったのだろう。

涼が本気になった女性とは。

綺樹はベンチに足を上げると、膝をたて頬杖を付いた。

どういう顔立ちをしているのだろう。

背は?

声は?

日に日に知りたい気持ちが積もっていく。