”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


「いいや。
 いい天気だし、ちょうどスケジュールは空いたし」


のほほんとした調子に涼の顔がひきしまる。

誰かと一緒に行くのか。

自分のことを棚に上げて、かもしれない。

自分の行動のせいかもしれない。

だけど、だ。


「どこに?」

「外国」


その答え方で余計に疑心が煽られる。


「おまえ、な」

「悪い、ラストコールがかかってる」

「なんだって?
 今どこにいるんだ」

「成田」