”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


綺樹が顔を傾けるように向けて、眉を寄せた。


「どういうのだっけ?」

「シューベルトの歌曲をリストがピアノ曲にしたのですよ。
 さて、そろそろ帰ります。
二人とも飲みすぎていますね」

こんなことを言うなんて泥酔もいいところだ。

成介の照れがわかって、綺樹はほどける様に柔らかな笑みを見せた。

だから、それはあの男に見せてください。

成介は心の中でもう一度言う。