「それよりも、そっちの方がよっぽど冒涜です」 ラベルを見て、ワインを指差す。 「うん、まあね」 罰が悪そうに笑っている。 「飲む?」 「いえ、車なので。 残念ですけど」 かなりいいワインだ。 「車、使っていいよ。 もう涼も引き上げたのだろう?」 どこかの愛人の所へ。 「使う予定はないから」 「そうですか」 成介は空いているソファーに腰かけた。