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成介はドアをノックした。
療養している祖父を見舞った後、いると聞いた部屋を訪れていた。
返事があったのに開けると、部屋の中は暗い外よりも更に暗かった。
オレンジの小さな光が闇の中、遠くにある点として見える。
「電気、点けますよ」
1階のリビングは、ベランダにイギリス風の木で造られた温室と続いている。
綺樹は温室の壁と一体になっているベンチに、片手に煙草、片手にワイングラスを手にして座っていた。
突然の明るさに、目をしばたいている。
煙草の火を消すと、手を伸ばして頭上にある窓を開けた。
「ドア、開けておいていいよ」
成介は煙草を吸わない。
成介は大丈夫ですよと言ってドアを閉めた。

