だから涼は家に帰らなくなった。

姿を見れば欲しくてしょうがなくなって、止まらなくなる。

夫婦であるという法的な関係だけは壊したくなかった。

やっと自分と綺樹の関係に名前がついたのだから。

これだけは、壊さない。

なんせ、すべては綺樹を手に入れるために、始まったのではないか。