* ゆっくりと“事”は動いていた。 思惑通りに。 あるいは計画どおりに。 涼が結婚までして気が緩んだのか、西園寺の当主である、涼の祖父が倒れた。 幸い大事には至らず、退院後は屋敷で療養となったが、涼が担う仕事のウェイトが増した。 学生、当主の代理業務、そして社長業までかじることになった。 既に働いていた成介が、優秀な秘書として付いてくれたのが、せめてだった。