”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


「なんで律儀に指輪?
 意外。
 外せば?」

「めんどくさい」


涼はそっけなかった。


「それに無くす。
 無くした時の面倒さを考えたら、している方が楽」

「ふうん。
 まあ、していても寄ってくる女を相手にする方が、世話無くていいかもな」

「まあな」


涼は瞬に合わせたが、指輪を外せない理由はそうじゃない。

これは鍵だ。

外したら、綺樹は西園寺の屋敷から飛び立っていく。

結婚の契約があっても。

プライベートは自由にしろよという発言も引っかかっていた。

それは綺樹も自由だということだ。