”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


  *

「指輪はどこのがいい?」

「指輪?」

「婚約指輪」

「いらない」

「じゃあ、結婚指輪」


流石の綺樹も考えた。


「そうだな。
 それ位無いと、公的な場に出た時に不便だな」


そう言ったので、ブランドを勝手に決めて、綺樹の泊まっている部屋に呼んだ。

目の前に並べられる。

綺樹がこっそりとため息をついたのを聞き逃さなかった。