”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

 
   *

繰り返し叩き下されるクワと鋤。

突き下ろしたクワと鋤を抜くごとに血が流れ出す。

やめろ。

やめろ、死んでしまう。

やめてくれ。

体がびくりと動き、それによって涼は目を覚ました。

目の前にある女の顔が誰か一瞬わからなくなる。

喉の渇きを覚えて、そっとベッドを抜けた。

厚地のカーテンを引いているのに、リビングは妙に明るい。

外をのぞくと満月だった。