それで終わりだったらしい。

男たちが引き上げていく。

映像が揺れて、段々と綺樹の姿が大きくなる。

全身が赤い血と土にまみれていた。

栗色の髪の毛は赤く染まり、横顔も白い肌が微かに見えるぐらいだった。

いつもの白いシャツもグレーのパンツも赤色が混じり、土が血によって泥となり、こびりついている。

スペイン語での問いかけがされているが、まぶたは落ちたままで微動だにしない。

人間の形をした、ただの塊。