『翻弄癖』


残酷で軽薄な男に
嬲られ続ける君を
俺は眺めている
痛いのが好きで
溺れてるから
もう生きることを
どこかでやめたいから
君はどんな目に遇っても
焦がれ続ける

「優しくされるのがいやなんだ」
いつもそう言うんだな
「僕をスキなんて気持ち悪いな」
君の得意の決め台詞だ

うん大丈夫
俺は愛してるなんて
言わない
焼けただれた君が
断末魔の叫びをあげるまで
待っている

君が一度だけ俺に
錯乱しながら言った
見捨てないでという言葉
真に受けてやる
君はもう忘れているだろう
その方が
きっと良い
俺に見捨てられないことが
どんなことかを知るためには