『階段の下』 随分前に死んだばあさんの部屋は 階段の下にある そこで寝ていると 階段を昇り降りする足音がする その音はひとりひとり違っていて 誰が二階へ行くのかとか すぐにわかる そのうちだんだんと この音が少なくなっていくんだな いつの間にか あの世のほうが 知り合いが増えてる そんな気がするんだ最近 それでこの世に未練が薄くなる ばあさん、迎えに来い