「あんた、つまんねぇ女だけど、体は悪くなかったぜ」
「………………」
知ってる、と、雅はそっぽを向いた。
「イくとき、誰を呼んだ?」
「……………」
誰も呼びはしない。
呼んだり、しなかったはず。
そもそも、イった、だろうか?
でも、ただ。
思いのほか乱暴ではなかった息吹に。
その、目が。
幾度も鷹野と重なって、奇妙な幸福感を感じた、だけ。
「も…帰っていいですか?」
「まあ、待てよ。名前、思い出しそうなんだ」
軋む体を起こした雅を、再び押さえつけ、ああ、そうだ、と。
息吹は耳元で囁く。
「………あんた、一樹のこと、まだ“鷹野さん”って呼ぶんだな。“雅”チャン?」
ぴくり、と反応した雅の目に、突如として幼い表情が、浮かんだ。

