余りにしつこい着信に、しぶしぶ携帯を取り上げた鷹野は。
背中から抱きつく年上の女をそのままに、一瞬眉をひそめた。
“宇田川さん”と敬称まで付いた表示をしばらく眺めて。
髪をよけた素肌の肩に唇を当てた女を、そっと引き剥がして立ち上がった。
着信が切れる。
履歴は、14回。
うち、最初の2度は凱司から。
何か、あったのだろう。
こんなにしつこいなんて。
凱司にか、息吹にか。
……雅にか。
「電話、するから。ごめんね凛さん。ちょっと静かにしててね?」
身についた、甘い所作。
女は、可愛く見えると意識した拗ねた顔を作ると、今まで身を横たえていたベッドに、うつ伏せに転がった。
伸びやかな肢体を、恥じらいなく晒した彼女の視線が逸れると、鷹野の表情に、僅かに苦味が走る。

