たぶん恋、きっと愛



雅が昼食を取っていない、と宇田川章介が聞いたのは、ちょうど翌日の朝だった。



「……何故」

「わからない。ただ、笑いもしなくなってるんだ…俺は……凱司さんに訊けないから」

だから、親父から訊いてみてくれないか、と。



友典も、限界だった。

思い切って、どうかしたのか、一度だけ小さく訊いてはみた。

みたが、雅は微かに眉を寄せ、小さく首を横に振っただけだった。




「では…夜に時間を取って、行ってみます。友典は、今日は雅さんのお迎えは?」

「今日から…鷹野一樹が出勤すると」



そうですか、なら安心ですね、と。
髭を指先でひねり、章介は思案する。


そういえば、ひと月ほど雅にも鷹野にも会っていない。

自分が凱司の家に行かなければならない用事もなく、外で会い、電話とメールのみで済ませていた事を、少し、後悔した。