たぶん恋、きっと愛



「宇田川、触りすぎだ」


くくく、と笑う凱司も、雅が居なくなった、と告げた電話では相当に切羽詰まった声をしていた、と鷹野も笑う。


「宇田川さん…心配かけて、ごめんなさい」


慌てて手を離した宇田川に、雅は心底申し訳なさそうにうなだれた。


いくら友典の主張を、受け入れ難く思ったにしても。

逃げるように姿をくらまし、それきり友典と会話をする事すら拒絶した。

由紀までが共に来てくれたと言うのに。



「いいえ、いいえ!余計な事を悩ませてしまいました…。この先、雅さんには一切近付かないよう、言いましたから」



「…え?」



凱司が、煙草を押し消す姿を再び縋るように見やった雅は、その肩が、呆れたようにすくめられたのを見た。