たぶん恋、きっと愛



「停学……ですか?」

凱司はイスに座ると煙草に手を伸ばし、何とか先輩を半殺しにしたろ?と苦笑した。


「えっ…でもあれは…」

「理由が何だろうと、校内でやれば仕方ないだろうが」


「その柳井さんも、停学ですけどね」


彼は3日間です、と、宇田川は、雅を手伝おうとキッチンに立った。



「あの…ごめんなさい…私が悪かったのに……」


雅の手に持ったコーヒーカップを取り上げた宇田川の。

その袖をちょこんとつまんで、雅は小さく呟いた。



「大丈夫ですよ。それより、本当に…申し訳ない事を致しました…。雅さんがご無事でどれだけほっとしたか…」


眉間にしわを寄せた宇田川が、雅に視線の高さを合わせ、まじまじと顔を見つめた。



「…ああ…本当に良かった…!万が一、あのまま見つからなかったら…私は死んでも死にきれない所でした……!」


思わず、と言ったていで雅の頭を撫で回す宇田川に、なすがままだった雅が、困り果てたように。

苦笑する凱司を、見た。