たぶん恋、きっと愛







陽は、少し短くなったのかも知れない。

いつまでも光が残り、太陽の余熱の冷めやらない、真夏のくすんだ空気とは違う。

近づく秋の気配は、鷹野の仕事が終わり、迎えに行った雅と歩く街路にも、心地良い薄闇と共に吹き抜けていた。




「うん、それから?」

「カスタードクリームの作り方を教わりました!」


始終、嬉しそうに笑う雅は、やや腫れた目をしてはいたが、鷹野に繋がれた手は弱々しくはない。

駅で、改札を抜けるときに手を離したけれど、無意識なのか故意なのか、追いかけるように指を絡めて来たのは、雅だ。



「すごく簡単だったの。今度、うちでも作ってみますね」

「あ、俺、林檎混ざってるやつ食べたいかも」

「じゃあ、林檎と…ピンクのレーズンの入ったカスタードパイとか…どうですか?」



くるくると。

少々、無理に笑っているのは解るのだけれど。


鷹野は、友典の名も凱司の名も出さないままに一生懸命話を続ける雅の手を、しっかりと握り直した。