たぶん恋、きっと愛



「やだ、章介さんの息子さんじゃないの!」


無理に高音で叫ぶ男は、床が軋むほどにドタバタと友典に近付き、ひょいと抱き寄せた。

まるで、友典が人形ででもあるかのように。



「どうしたの…章介さんから何か言われて来たの!?」


太い指には、やたら太い毛の生えるだろう毛穴が、目に付く。


「息吹ちゃん!何したの!」


大きな丸い顔に、角刈り。
髭の剃り跡の青い、筋肉隆々の。



「あああ…!可愛い唇が切れちゃって……章介さんに叱られちゃう…」


眉を下げて、泣き出さんばかりに取り乱す“片手で人を殺せるオカマ”


友典は、その太い指に、いたわるように唇の血を拭われて初めて、不覚にも再び“男に”呑まれた事に気が付いた。