「……っ…!!!」
頭は、反射的に突き飛ばそうと働いたはずであるのに、友典の体は何かに抑えつけられたかのように動かなかった。
唯一、ぴくりと動いた指先は、どうしていいのか解らないのか、そのまま硬直した。
視界いっぱいの、息吹の、目。
閉じることなく、嘲るように、愉しむように。
ガタリ、と背後のテーブルがずれた音で、友典の思考は一気に浮上した。
「……っに…しやが…!!!」
ずくり、と唇に痛みが走り、嗤いながら離れた息吹の唇に血が付いているのを見て始めて、悪寒が走った。
「暴れんなって。お前だって痛いの嫌だろ?」
折角の体が男なのが残念だ。
欲求不満なんだよ…溜まってしょうがねぇ。
どうせなら、あのガキが来れば良かった…のになあ。
旨そう…なのに。
そう呟いた息吹に、恐怖と、怒りと、強烈な後悔とが、友典を襲った。

