たぶん恋、きっと愛



「…鷹野一樹の、勤め先を」


腹立たしくて。

緊張しながら、簡素に問うでもなく問えば、息吹の目は胡散臭げに眇められた。

設えられた、背の高い椅子に浅く寄りかかり、鷹野一樹よりも少し厚みのある唇は、笑みを崩さないまま、ペロリと舌を覗かせる。



「…あんた、信用ねぇんだ?」


しばらく探るように友典を見つめたのち、くくく、と可笑しそうに笑う息吹は、挑発するように顎を上げた。



「あんた、あのジジイの…息子なんだから…跡取りの…覚えもめでたいのかと…思ったら」

一樹の事すら、教えて貰えねぇのか?



たまらない、とばかりにくつくつと嗤い続ける息吹に、友典の顔に朱が差した。


自分がどうしたら、どう見えるのか、きっと知っているのだろう。

鷹野一樹が同じように見せようと思えば、同じようにするであろう、心底馬鹿にしたような妖艶な目つきは。


友典の頭に、いとも簡単に、血を昇らせた。