『…駄目です。ゲームではありません』
これ以上、雅さんの気持ちをかき乱されては困るんです。
そう言い切った電話の向こうでは、わずかに喧騒のような、言い争いのような、穏やかではないような空気がある。
凱司の声を聞き取ろうとしたが、この喧騒とは関わりがないのか、それともこの場にいないのか、全く聞こえなかった。
『全ては、凱司さんと私が帰ってからです』
そこに、いなさい。と、三度まで言われた友典は、再び電話を切られ、うなだれた。
「…彼女を……雅、さんを…」
捜さずにいて、いいんだろうか?
初めて父の言葉にに対して、疑問を抱いた。
自分は、正式に。
凱司さんから認められた。
彼女に関しては、自分で考えて良いんじゃないだろうか?
考えなくてはいけないんじゃないだろうか?
まず。
鷹野一樹の職場を、捜さなければ。
教えてくれないのであれば。
調べればいい。

