「…雅ちゃん、そんな泣かなくても、大丈夫だよ」
そんな焦らなくて、いい。
凱司の居ない時に。
俺しか居ない時に。
「大丈夫。そばに居るし。雅ちゃんが…俺を好きでも、凱司を好きでも、大丈夫」
友典が言ったことは、後でゆっくり考えよう?
俺と一緒に、考えよう?
「そばに、いるからさ」
正しい答えなんか、ないんだから。
絡み合って絡み合って。
ほどけなくなったらさ。
「絡んだまま、居ればいいよ」
無理に解こうとしたら、切れるだろう?
ゆっくり、ゆっくりさ。
「解くつもりしながら、ほどけるのを待っても、大丈夫」
鷹野の白いシャツの腕が、後ろから、ゆるく抱き締める。
「大丈夫だから。…ね?一緒にうち帰って、シャワー浴びてさ、一緒に、寝よ?」
耳元で、囁く。
雅は小さく頷くと、口元に当てたタオルでしっかりと涙を拭い、大きくゆっくりと息を吸い、落ち着かせるように長く、吐き出した。

