部屋で寝な、の一点張りな佑二と。
何かあったら一大事、と、むしろ悲しそうにすら見える昌也に押された形で、雅が自室に戻れば、リビングは急に静かになった。
「なんだか不毛だなあ」
「一樹くんが呼んだんでしょ」
「…呼ばなきゃ良かった」
「俺ら居なかったら、あの子に逃げられてた癖に」
目を合わせずに、声だけで静かに言い合う鷹野と佑二。
時計を見れば、まだ10時半だ。
昌也は小さく息をつくと、煙草と共にテーブルについた。
赤い髪を抱えるようにして、疲れたように煙を吐き出す。
「でもさ、あんまり抱え込むと、あの子も一樹くんも、ツラくなると思うけどな」
だって、凱司さんのじゃないか、どうしたって。
独り言のように言った昌也に、鷹野は黙ったまま、ソファーに仰向けに倒れ込んだ。
「それに、やっぱり若すぎる、っていうか、子供だと思うし」
ちらりと鷹野を見やる昌也は、他人事であるにも関わらず、鷹野と同じように、酷く辛そうな、目を伏せた。

