「…昌也!!」
叫ばれた鷹野の声に、昌也の体が跳ね、雅の指も、びくりと引かれた。
慌てて雅を突き飛ばすように距離を取った昌也の顔が、はっきりと赤くなる。
「だっ…なっ…みやっ…!!」
「…兄貴、テンパり過ぎ」
片手の甲で口元を押さえる昌也の泳いだ目を、呆れたように見やる佑二は、再び余裕を無くしたかのように目の色を変えた鷹野と、指に花を挟んだまま抱きしめられる雅の茫然とした様子とを、苦々しく見つめてため息をついた。
「雅ちゃん、駄目だよ」
あんなに、無邪気に誘惑したら、駄目。
「なにが……駄目、でしたか」
「…俺、の前で他の奴、見たら駄目」
小さな、小さな鷹野の弱音にも似た声は、微かに懇願の色を浮かべていて。
雅はひどく戸惑ったように、その目を見上げた。

