たぶん恋、きっと愛



「上書きも終わったみたいだし花、見に行く?」


相変わらず飄々と、唇だけを笑みの形に作る佑二は。

窓の外、外灯の明かりで、かろうじてピンク色が見えるだけの木を、指差した。



「真下に行けば綺麗なんじゃない?」


抱え込むような腕から雅を引っ張り出した佑二は、雅の手が鷹野の袖を掴んでいるのに目を留めると、あからさまにため息をついた。



「流されてると怒る人いるんじゃないの?」


「…怒る、かな」

「あの青い目ぇ歪めて、きっと怒鳴るよ」


ぱ、と袖を離した雅は、不安げに鷹野を見上げる。

鷹野は、そんな雅を再び抱き寄せ、くるりと体を反転させると、大丈夫だから着替えておいでと、背中を押した。


曖昧な笑みを浮かべ、リビングから雅が姿を消すと、鷹野は佑二を振り返る。



「…佑二、お前何がしたい?」

「別に?」


「佑二…まさかお前まであの子を好きだとか言わないよな!?」



微妙に凍り付くような目付きで睨み合わんばかりの2人に割り込むように、昌也は叫んだ。



「まだ言わないよ」

「まだ!?」

「ああ、いや、言わない言わない」



慌てたふうでもなく、飄々と掻きあげた金茶の髪から覗いた、からかうような目が。


探るように鷹野を真っ直ぐに、見ていた。