たぶん恋、きっと愛



「あんた、あんまり大事な事しゃべんないし、興味も無いけどさ、一樹くんとくらい、上手くやったら?」


守れなかったけど、守りたかったんだろ?と。

佑二はベランダの窓を閉め、やっぱり鈍いんだなあ、と、唇の端を上げた。


「一樹くんも。一緒に住んどいて嫉妬しないで下さいってこの前も言ったじゃないすか」

上書き、すりゃいいでしょ?
いつもみたいに。



「…上書き…?」

「………上書き」


抱き止めたままの雅と視線が合う。

しばし呆然と鷹野を見上げた雅が、弾かれたように目を背けた。




「………上書き、していい?」

「やっ、だってそんな」



「ほら、俺も兄貴もあっち向いてるから」




そうか…俺は、と。

鷹野は深く息を吸い込んだ。



きっと。

……積んだはずの積み木が崩れた気がして悔しくて。
もどかしくて、焦って。



それから…悲しかったん、だ。


もう一度積み上げれば良いだけのこと、なのに。



鷹野の目にいつもの色が戻り、自嘲するような笑みが浮かんだ。


律儀に後ろを向いた兄弟に苦笑すると、鷹野は。


困ったように、でも、と呟く雅の背をしっかりと、抱いた。