「……それ以上道端でするなら…俺ら帰るよ?」
うんざりした声が、ふいに掛けられた。
よっこいしょ、とばかりに立ち上がった佑二は、雅の頭に手を置いて、その顔を覗き込んだ。
「…あんたさ、逃げる前にちゃんと周り見なよ。みんな傷付けるんだから」
見てみなよ、一樹くんの顔。余裕なくして、カッコ悪いったらない。
「……佑二いつからいたの」
「…ほら見ろ、俺ら居るの気がつきもしてなかった」
鷹野の腕を剥がすようにして雅を引っ張り出した佑二は、その顔を両手で挟んだ。
「あーあー、せっかく可愛いのに、いっつも台無し」
「いっ」
ぎゅうぅっとつねられて、頬が伸びる。
「チョコレートあげるから俺にしとく?」
さらりと言い放った佑二に、過剰に反応した昌也は、駄目だ!と叫ぶ。
「そんなややこしすぎるの俺耐えられないっ!!」
引ったくるように雅の体を奪うと、そのまま鷹野に押し付けた。
「……冗談なのに」
なすがままにその場でくるくると回され、最終的に抱き留めた鷹野を見上げた雅の顔に、ようやく僅かに朱が差した。

