たぶん恋、きっと愛





「雅ちゃん、明日、昌也と佑二が泊まりに来るからね。一緒に花火か花見、しよ」


体を起こして、ベルトを留め直す鷹野に、雅は心配そうな目を向けたけれど、僅かに微笑んだ。



「じゃあ、寂しくないですね」


凱司は、雅の手首を掴んだまま、天井を仰いだ。


鷹野といい、雅といい、掻き乱し過ぎだし、自分も、乱され過ぎだ。

たかだか、一泊や二泊。


ちょうどいいかも知れない。
頭を、冷やすには。




「…鷹野。手ぇ出したら殺す。雅、下手な誘惑するようなら…宇田川に預ける」


「えっ」

「いきなり殺人予告かよ…」



それでも安心したように唇の端を上げた鷹野は、元の尊大な目付きを取り戻した凱司に負けじと、含みのある笑顔を、浮かべた。



「花の塊みたいな茉莉花茶とか烏龍茶葉とか、買ってきてよ」

「ああ? そんなもん日本で買えばいいじゃねぇか」


「空港で大麻と間違えられて足止めくらえばいい」


「……お前…冗談になってねぇぞ」


土産物の茶葉でなんか、止められやしねぇよ、多分。

と苦笑した凱司も。

でも凱司さんガラ悪いから……と呟いた雅の声に、ぴくりと頬を、引きつらせた。