たぶん恋、きっと愛



鷹野は、目を逸らす凱司をただ見つめ、こちらを見ていない雅にちらりと目線をやると、携帯を手に取った。


凱司から、吸い差しを取り上げて睨まれる中、無音に設定してあるキーを押す。



雅はくるくると良く動く。

凱司の目の翳りに気が付いているのか、いないのか、ひとつに結んだ髪を揺らしながら。




「あ~佑二? 明日、花火か花見かするけど、暇?」


ぴくり、と凱司の眉が上がるのを真っ直ぐ見据え、鷹野は会話を続ける。

「花火か花見だってば。…うん、夜に決まってるだろ。ああ、昌也もそこにいるんだ? 暇なら泊まるつもりで。……うん?いや、泊まれ」



厭そうに眉間に皺を寄せた凱司を、見据えつつ。

鷹野は、じゃあ明日9時に待ってるから、と電話を切ると。

苦々しい顔をする凱司に襲い掛かるように金髪を、きつく掴み上げた。