「ここも。まだ痛むか?」
「………どうし…たの?」
もう痛くない、と首を振った雅が、不安そうに目を上げた。
「……お前、さあ」
言い淀んだ凱司を、じっと見つめる。
「…鷹野に……抱かれないでくれるか」
「……抱っ…!?」
「別に構わねぇと思ってたんだが……惜しくなった」
「…惜し…っ!?」
「あー……どうすっかなあ…構わねぇっちゃ構わねぇ気もするしなぁ…」
珍しく煮え切らない凱司は、金髪の頭をガシガシと掻くと、ベッドに倒れ込んだ。
「お前、まだ15なんだよなあ」
ベッドの上から、寄りかかっている雅の頭を撫でる。
「誕生日いつだよ」
「いっ…1月…」
「それ来た所で16か…」
くるり、と仰向けに転がった凱司は、天井を見ながら、黙り込んだ。
友典に言ったことは、嘘ではない。
鷹野に抱かれることは、問題ない。
なんと言っても、雅が嫌がらないと思うから。
だから、嘘ではない。
問題は。
…なんで俺がこんなガキに…マジ恋みたいな独占欲に焦らなきゃならねぇんだろうなぁ、と頭を抱える、………凱司、自身。

