たぶん恋、きっと愛




「あ、友典さん来た」

「……」



金茶色の佑二の傍に。
それはもう、仲も良さそうに。



「…す、みません」


ひどく申し訳なさ気に項垂れる友典の視線に首を傾げ、雅は、隣でつまらなそうに足を伸ばす佑二を振り返ると。

更に首を傾げて、視線を戻した。



「鷹野さんは?」

「……今、そこに」


にこりと、頷いた雅は、友典の後ろから顔を覗かせた鷹野に、嬉しそうな笑顔を見せた。




「あ、餌付けされてる」


佑二の手には、アーモンドチョコレートの箱。


「佑二、柳井先輩は?」

「多分、帰りましたよ。友達何人かと、駅の方行ったし」


佑二の隣からあっさり立ち上がり、鷹野の傍に寄る雅の、その鷹野との距離が気になる。


鷹野に躊躇なく擦り寄り、おとなしく腰を抱かれた雅を、友典はただ、釈然としないまま、見つめるしか無かった。


うしろでは、高校生がはしゃぎ、打ち上げの話で盛り上がっている。

鷹野さんも誘おうよ、と聞こえた所で、我に返った。


友典は、雅を引き剥がすと、寄りすぎです、と身を屈めて囁いた。