「………月曜日」
「は?」
「月曜日から!雅さんをウチに泊めてしまいたいほどに、あなたを信用できませんっ」
田鹿を迎えに来た加奈子は、ただ茫然と、目の前の口喧嘩を眺めていた。
「普通に喋れるんじゃないか。なんだ、無口なのはキャラか?カッコつけてるだけ?」
「…………っ!!」
一方は、普段の様子にそぐわないほどに顔を赤くしている。
一方は、その綺麗な髪を掻き上げながら、やや愉しそうに。
そしてやや、ムキになる。
「…とにかく!凱司さんの居ない間は預かります!!」
「やだよ。俺のゴハンどうすんの。独りじゃ寂しいだろ?」
「…あんたの…メシなんか…知ったこっちゃねぇ!」
何の話をしてるんだろうね。
きっと月曜日から何日か、金髪の彼が居ないのよ。
宇田川先輩んちに泊まるのもどうかと思うんだけどなあ。
いっそ私んちに泊めようかな。
駄目だよ、きっと宇田川先輩付いてくる。
……面倒な子よねぇ。
モップを片手に、ボサボサの金髪の従業員が、苦笑しながら、多分佑二のベースギターを、何故か田鹿に渡した。
鷹野くん愉しそうだなあ、と暢気に言う従業員は、適当に放り出すから、佑ちゃんに持ってってやって、と笑った。

