「ったく、何してんだか」
あんたも、引っ張られるままにフラフラしてんじゃないよ、と。
真っ直ぐドアを抜けた佑二に連れられ、雅は外にたむろするクラスメイト達の視線に晒された。
加奈子が声を掛けようと手を挙げるけれど、“引っ張られるまま”に足を止められない雅の、申し訳なさそうな視線に、その手をそのまま、バイバイと振った。
「ゆっ、佑二さん痛…い!」
「え、ああ、ごめん」
隣のコンビニにまで来てようやく、腕を離した佑二が、雅の後ろを振り返った。
誰もついてきてはいない。
「アレ、あんたのリアル“彼氏”なの?」
そんな訳ないだろう、と思いつつ、佑二は表情も乏しく訊いた。
「……学校にいる間だけ」
「ふぅん?ボディーガード?」
「いえ、多分、…監視?」
監視かあ、と淡々と繰り返した佑二は、よく解んないなあと、苦笑した。
「で、今日のパンツの色は?」
「え…いつも白…」
言い掛けて慌てて口を押さえた雅は、おそるおそる佑二を見上げ、ごまかすように曖昧な笑みを浮かべた。

