「なんかよく解んないけど一樹くんなら弾ける気がするよ」
電話してみるから、あんたは他の奴に聞いてきな、と携帯を出した佑二に、田鹿は跳び跳ねるように頭を下げると、走り出した。
「ああ…あいつ鬱陶しい」
「ちょ…鬱陶しいって…佑二さん酷いですね」
小さな声で非難する雅だが、隣で同意するように息を吐いた友典に、ひきつった笑顔を固まらせた。
「げ…元気なだけですもん」
「まあ、どうでもいいんだけどさ」
ちら、と友典を見た佑二は、耳に携帯を当て、烏龍茶をひとくち飲んだ。
「凱司さんの…バンドの人、ですか?」
「はい、佑二さん。鷹野さんが怪我した時に、あたしと一緒にいてくれたんです」
「……………」
身を屈めて、雅に囁くように喋る友典に、ちらり、と佑二の視線が行く。
「パンツ見た仲ですから」
さらりと言い放った佑二に、雅も友典も、動きを止めた。
「………」
「やっ…あれは…!!」
電話の向こうで鷹野が出たのだろう。
手を上げて雅を黙らせた佑二は、雅の傍で難しい顔をして立つ友典に、わざわざ髪を掻き上げはっきりと、唇の端を上げた。

