たぶん恋、きっと愛




「あれ? 雅ちゃん?」


ライブハウスは、もう目の前だ。
通りすぎかけたコンビニから出てきたのか、後ろから声をかけられて。

雅はもちろん、友典も振り返った。



「あ、佑二さん」


こんにちは、と足を止めた雅に合わせ、友典も止まる。


「この前は、ありがとうございました」

「いいえー。なに、どうしたの、男連れで。そこ?」


くい、と親指でライブハウスを指した佑二は、相変わらず目が隠れていて、雅は必要以上に覗きながら頷いた。



「友達が、出るの。友典さんは、凱司さんの…凱司さんの?」

「ああ、いいいい。あのひとの人間関係、難しい」


口許は笑っているが、やっぱり目が見えなくて、雅は困ったように、首を傾けた。


友典は、会ったことのない佑二に会釈をすると、じっと観察するように、眺める。

凱司とも親しいのだろう、小柄だが、袖のないシャツから伸びる両腕は、決してひ弱い感じはしない。



「なんでまた、そんな情けない顔してんの?」


佑二の手が、雅の頭に乗り、微笑むでもなく、苦笑した。