蝋燭の炎のような色合いの、丸い小さな照明。
ピンクの粒胡椒。
くまを型どったパスタ。
ブラックベリーのジャムと、ローズヒップのジャム。
乾燥したカモミール。
ゼリービーンズのような、首飾り。
「あとは?」
「これ」
小さな、ミントチョコレート。
「チョコミント好きだね」
「ううん、ミントチョコが好きなんです」
チョコレートフレーバーのミントではなく、ミントフレーバーのチョコレートがいい、と雅は笑う。
「ちょっと、幸せですよ?」
「幸せかぁ。あとで俺にも1個ちょうだい?」
他愛もない会話。
少し離れては、すぐに戻ってくる雅が足を止める位置は、ごく近い。
雅は特に意識はしていないだろう。
そこが、鷹野の作り出した、距離。
靴の重なるような、位置。
会話をしているだけで、イチャつくな、と凱司をも怒らせる距離。
そこが、定位置。

