もくもくと、ピンクのカーネーションからガクを取り除く。
花弁が散らないように、そっと、4つに裂いた。
ワイヤーを引っ掛け、緑色の紙テープで止める。
そのテープを引き延ばしながら斜めに巻き付け、1つのカーネーションを、4つの小さなカーネーションに作り変える。
白くて広い机。
白い、壁。
たくさんの、カーネーションと、シダ類。
ハサミと、ナイフと、あらかじめ紙テープを巻き付けた、緑色の針金。
実習の教室は、静かだった。
「雅、お昼休み、宇田川先輩来るよね?」
嫌な態度で遠ざけたにも関わらず、加奈子は頑として隣に席を取ることを譲らなかった。
「…あたしから…行こうと思ってる」
謝らなければ、いけない。
もしも、本当に主従だとするならば、友典のしたことは、雅のしたことだ。
友典に乱暴された人達にも、そうさせてしまった友典にも。
謝らなければいけない。

