大きく掬い上げた髪をサラサラと流しながら、凱司の指は雅の耳を掠め、後ろ辺りを何度もなぞっている。
黙り込んだ雅は、大人しく、されるがままに、じっとしていた。
「…2日…も、居ないの…」
「なんだ、寂しいのか」
そんなことない、と拗ねると思って言えば、雅はぼんやりと頷いた。
「…早く帰って来て、ね?」
髪に触れていた指が、思わず止まった。
やたら甘い、声。
顔を上げない雅は、アザラシを抱き直すと、眠いけど寒い、と呟いた。
「……あぁ…寝てなかったっけな」
我に返ったように雅の髪から指を離し、凱司は再び頬杖をついて顔を覗き込んだ。
かろうじて開いていた瞼が、ゆっくり閉じる。
「自分の部屋で寝ろよ」
「……いや」
「いや、じゃねぇ」
「……凱司さんの指、…気持ちい…」
アザラシを離し、寒いのか、その下に潜り込もうとした雅が、もうちょっと、して、と呟いた。

