確かに、困った時は助けてやってくれと、言いはした。
したが、従えなどと言うつもりはなかったし、実際言っていない。
…参ったな、と凱司は、アザラシを挟んで、雅の隣に寝そべった。
肘をついて頭を支え、まじまじと拗ねた雅を見つめる。
このガキに付いた所で、何もする事はないだろうに。
うちの組に雅を通す気はないし、実家の方に預ける気もない。
ただの、俺の飼い猫だ。
「そうだな…」
宇田川もそうだが、友典も熱い男だ。
自分で決めたのなら、曲げないのは目に見えている。
ならば。
「お前が、干渉不要、と言ってやればいい」
「あたしが?」
「お前に従うってんだろ? お前が言わなきゃ意味ない」
友典は、宇田川と違って、臨機応変に動く柔軟さが足りないように見える。
ある程度の噂が立つのは想定の範囲ではあるが、1日で妊娠説が出るほど密着していたのでは、互いに潰れてしまう。
主に、雅が。

