あたし、明日学校行かない。
「駄目だ」
「やだ」
「行け」
「いや」
「…………」
額に青筋が浮かんだ気がする。
雅は、散々、凱司の部屋で音楽を聴いて尚、不機嫌だった。
「友典さんが可哀想だから、いや」
噂が消えるまで行かないっ。
と、雅は白いアザラシを抱き締める。
「お前がキッチリ否定してくりゃいいだろが」
「だって友典さん来ますもん。そしたら、やっぱり!ってなるじゃないですか!」
ころころと、アザラシと共に転がる雅に、わずかに同情はするものの、頑なな抵抗は、凱司を苛立たせた。
「あたし、従われる筋合いないですもん」
ぎゅ、と強くアザラシを抱く。
小さくなった声は、アザラシに押し付けられた唇に、くぐもった。
雅に友典がつく。
という事は、本気で友典は、父親と同じ道に来るつもりなのだろう。
雅が凱司と一緒に居る限り、目を離さないはずだ。
筋合いは、ある。
雅は、凱司に属する人間。
それだけで、友典にとってみたら筋の通る、道、だ。

