「あ…の……友典さん?」
電車で、駅4つ。
1駅の区間は短く、さほど遠いという感じではないが、雅はドアの傍に立ったまま、友典を見上げた。
「宇田川家は…歩いて登校できる場所…にあるんですよね?」
「…そうです。…だから、何ですか」
「いえ…何ですかではなく…どうして電車に……」
雅は、友典との“主従関係”に納得しないまま、ひどく困惑した顔で、友典を見上げた。
「……ひとりで…帰れます」
「そうですか」
「…いえ、あの…友典さん部活は……」
「してません」
きっぱりと冷たく言い切った友典に、雅は困り果てたように俯いた。
「…も…いいです…凱司さんに相談してみます!」
「………」
ふいっとそっぽをむいた雅の隣で、友典は。
その凱司に貰ったクロムハーツのリングを見つめ、隣の指に巻かれた包帯を、少し、引っ張った。

