たぶん恋、きっと愛



ひそやかに。
時に声高に。

廊下を流れて溢れるように。


あの宇田川友典が、女の子を連れている。
どうやら1年生らしい。

という囁きが、職員室をも巻き込んで、渦のように巻き起こった。


話には尾ひれが付いて回るのが常だが、この話も、漏れる事なく巨大な尾ひれがついた。


職員室では、急遽、里子制度を活用した正しい説明がされたが、プライバシーを考慮してか、生徒には説明がなく、巨大な尾ひれは様々に色を変え、大きさを変え、その日の下校時刻に友典が1年の棟に向かう頃には、泥沼のようなドラマが出来上がっていた。




「………妊娠っ…!?」


明らかな好奇の目は、“怖くないほう”の雅に向けられた。



「だ…誰が? あたしが?」


教室で、数人に取り囲まれた雅が、通学バッグを取り落とした。