学食がいっぱいだった為に、購買に残っていたパンを買った。
人の少ない廊下の突き当たりで、壁にもたれ、メロンパンの袋を開ける。
「何か用があったんですか?」
わざわざ昼休みに教室にまで来ようとしていた友典の、伏し目がちに逸らしっぱなしな視線を捉えようと、雅は顔を覗き込んだ。
「……凱司さんが…」
「凱司さんが?」
「…………なんでもない」
「えぇっ…」
ふいっと横を向いて、やっぱりメロンパンしかなかった友典も、袋を破った。
人の少ない廊下と言えど、全く居ないわけではない。
愛想の良い方ではない友典の、校内での評価は、決して良くはなかった。
いわゆる“不良”と呼べそうな人間は今どきいなかったが、時折は、3年生や他校生に、絡まれたりもする。
友典は、喧嘩にかけては手加減しない。
手加減して、後々まで怨まれても厄介だ、と思っている。
物静か、な訳ではない。
かといって無闇に乱暴な訳でもない。
「……とりあえず、“さん”付けは……嫌、かも」
すごく不自然で、人の目が痛いんです。と、雅は、メロンパンの表面だけを、剥がして食べた。

