「……さて、須藤雅。このまま職員室来ようか」
4時限目の英語が終わり、次は昼休み、と言う時刻。
雅は教室を出るはずの英語教師に手招きされて固まった。
「…や、やだ、かも」
「拒否権無し」
「…お腹空いたし!」
「いいから」
ぶんぶんと音のしそうなまでに手招きされて、雅はしぶしぶ立ち上がった。
「雅、呼び出し多くない?」
同情するような加奈子に、眉を下げて、苦笑した。
友典が、雅のクラスに向かう途中で、英語教師と並ぶ雅とすれ違う。
視線が合い、軽く会釈した雅を見つめ、友典は黙って方向を変えた。
5歩後ろを、ゆっくりついて歩く。
「なんだ宇田川、何か用か」
振り向いた英語教師に首を横に振り、雅をちらりと見る。
「須藤に用か?」
いささかびっくりしたような英語教師は、多分に漏れず勘違いをしたのか、意味深に笑うと、すぐ終わるからついてこい、と友典をも手招いた。

