焼いたお握りに、とろみをつけたスープを注ぎ、三つ葉を散らして出来上がり。
「……今日、接客できねぇ…」
「なんとかしろ」
さらりと言い放ち、凱司はスプーンで最後のスープを掬う。
「雅ちゃんの睫毛、塗ってあげようと思ったのに」
震えてるし、と両手を見つめて、鷹野は苦笑した。
「雅、食ったか? そろそろ行くぞ。遅刻しそうだ」
さっさと立ち上がり、自分の皿をシンクに下げた凱司が、白い錠剤と黄色い錠剤を掌に乗せて戻る。
「飲んどけ。頭、痛いんだろ」
「……ぅ…!?」
指先でつまんだ薬を、立て続けに4錠押し込まれ、雅は目を白黒させた。
「凱…チョコレートは解んなくなかったけど…今その与え方ってどうなんだよ…」
「あ? 頭痛薬とビタミン剤だぞ?」
「……なんで押し込む、の!」
唇が苦いのか、しきりに緑茶を飲む雅が、声を上げた。
「こうしたほうが早いだろ?」
「薬くらいひとりで飲めますもん!!」
「うそつけ」
「………っ!!」
お前、この前、勿体ないからとか訳わかんねぇ事言って風邪薬飲まなかったじゃねぇか、と。
凱司は真面目に、呟いた。

