宇田川と、友典と、凱司と雅。
なんて濃い取り合わせだろう、と鷹野は思う。
「ああ、チェリーパイって、もしかしてその時買った?」
濡れた赤いTシャツを不思議そうに引っ張った雅が、あ、と顔を上げた。
「そう!凱司さんが買ってくれました。鷹野さんと食べればいいって2つ。だから…待ってたんです……けど…」
冷たいのか、胸の部分を引っ張ったまま俯くように笑った雅に、再び愛しさと後悔が込み上げた。
「……もう、しない」
雅ちゃんが俺に恋しなくても。
例え、凱司のものだろうとも。
もう、誰とも寝たり…しないから。
だから……。
「やっ…でも、ね!」
そういうのって…自然現象な訳で……無理…したら体に悪いから……
などと、ごにょごにょ口ごもる雅が、腕の中から抜け出した。
「…匂い…消して来てくれれば、大丈夫……です」
だから。
“雅ちゃんがたまに抱かせてくれればいい”
とは、冗談でも言ってはいけない気がして鷹野は。
曖昧に首を傾げると、冷えたのかくしゃみをひとつ、した。

